3歳児
50代の若さでお亡くなりになった発達心理学者の神田英雄先生が以前ご講演の中で、子どもの発達について分かりやすく教えて下さったことを思い出します。
神田先生は、3歳児のことを「自信満々の3歳児」と言われていました。「何でもできると自信満々で、振り返ることをしない、わが世の春を謳歌している年齢なんですよ。」とユーモアたっぷりにお話されていました。
確かに3歳児は、排泄の自立という高い壁を乗り越え、基本的生活習慣も身につき、なんでもできると思っていても不思議ではありません。
りんごの花保育園の3歳児もみんなそんな時期にいます。「私が好きな人はこっちに来て」「僕ができるから、先にさせてよ」自信満々の言葉が飛び出します。そんな3歳児の子ども達は入園して3ヶ月経ち、初めの遠慮がなくなり、自信満々の言動から、いろいろなトラブルが起きています。
それぞれの主張がぶつかりあい、泣いたり、押したり、悔しくて地団駄を踏んだり、意地と意地のぶつかりあいで、収拾がつかないこともあります。
思うように出来ない、友達が自分の言うことをきいてくれない・・・一人ひとりの子どもがそんな葛藤を抱えています。おうちで気持ちを爆発させたり、「誰も遊んでくれない」と言うこともあるようです。
でも、順調、順調(幼児教育研究者の熊丸みつ子先生の口癖です)みんなしっかり成長をしている証拠です。
ぶつかったり、うまくいかなかったりする経験をするからこそ、次は、どうしたらこの辛い場面を乗り越えられるか、一人ひとりの子どもが、なんとか自分で考えて自分の力で切り開いていく力がつくのではないでしょうか。
大人と同じように、子どもも悩んだ分だけ、転んだ回数だけ大きく成長すると信じて、近くで見守っていたいと思います。