職場風土
重度障害者施設の津久井やまゆり園で、45人の入所者が刺され、19人の命が失われた事件で、昨日初公判が開かれました。 抵抗ができない人を次々に殺害したこの事件を知ったのは、早朝のテレビニュースでした。あまりのショックで、テレビの画面からしばらく目が離せませんでした。 あれから3年が過ぎましたが、私達は、この悲惨で残虐な事件から何を学べばいいのでしょう。 ある研修会で、障害者施設を経営されている方が、「普通はあんな事件は起こらない。あの施設だから起こった」と話されました。
やまゆり園の経営者や、働いていた方達がこの事件でどんなに苦しまれたか想像に難くありません。そんな方達を批判するようなことを言われたことにとても驚きましたが、今なら少し言われた意味がわかるような気がします。 被告は、この施設に勤めていたことがありました。被告に特有の精神的問題があったとしても、施設の中に、重度の障害がある方を尊重する職場風土があれば、社会の役に立たないから、殺しても構わないと言う考えには至らなかったのではないでしょうか。
次元が違うとは思いますが、保育園の中で起こる不適切な保育も一人一人の子どもを大切にする職場風土の中では起こらないと思います。 津久井やまゆり園の事件は、私達に重い問いを投げかけています。もうこんな悲惨で残虐な事件を起こしてはいけません。