『担当制』
- 大瀧智子
- May 28, 2020
- 2 min read
りんごの花保育園の未満児クラス(0・1・2歳児)は、担当制(子どもの担当を決める)で、一人一人の子どもを大切に育てています。
乳幼児期の発達課題で最も重要なのは、基本的信頼感を育てることです。基本的信頼感には、人を信じることができること(他者への信頼)、自分は人に愛される価値があると思えること(自己への信頼)の2つの面があり、そう思えるには、自分を大切に思って関わってくれる人の存在が不可欠です。
保育園は集団生活の場で、複数の先生と同じくらいの年齢の子ども達が複数人同じ部屋で過ごします。昨日は、A先生がお世話をしてくれたけど、今日はB先生、じゃあ明日は・・・?
A先生は、「スプーンで食べて」と言うけど、B先生は、「手で食べてもいいよ」と言う・・・。今まで食べれなかったピーマンをがんばって食べたのに、がんばって食べたことがわからないB先生は褒めてくれない・・・
些細なことだと思われるかもしれませんが、子どもにとっては日々の生活に見通しを持てるかどうか、自分のことをちゃんとわかってくれる先生がいるかどうかは大きな問題です。
ずいぶん前、研修会で「靴下の落とし物があった時、どの子のものかわかりますか?」と聞かれたことがあります。当時は担当制ではなく、みんなで全員の子を見ていたので、その日誰がどんな靴下を履いているのかを把握するなんて無理だと思いました。
朝、何時に起きて、食事をどれくらい食べて、どんな服を着て、体温や機嫌がいいかなど、一人一人の子どものことを把握できるのは何人までだと思いますか?
1・2歳児だったら、6人くらいまでだと思います。りんごの花保育園の1・2歳児の先生達に「この靴下は誰のですか?」と聞くと、大抵「〇〇ちゃんのです。」と答えてくれます。
お母さんのように・・・は難しいかもしれませんが、困った時、悲しい時に安心して抱きつける人がいるのは大事ですね。今年入園した子ども達があまり泣かずに園生活に慣れてくれたのは、『担当制』がその理由の一つではないかと思っています。
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