主体的な存在である赤ちゃん
- 大瀧智子
- Jul 12, 2020
- 2 min read
先日の東京大学名誉教授の汐見俊幸先生のWEBセミナーで聴いたお話です。
最近は、脳科学が進歩して、赤ちゃん研究が進み、これまで常識とされていたことを覆す事実が明らかになっています。以前は、生まれたばかりの赤ちゃんは、ほとんど目が見えていないと言われていましたが、0.001くらいの視力があることがわかったそうです。
0.001であれば、ぼんやり人の顔が見えていることになります。これまでお母さんのお腹の中で、温かい羊水に浮かび、臍の緒を通して栄養が運ばれてくるので、空腹を感じることも、寒さや暑さなどの不快を感じることもなかった赤ちゃんが、長い産道を苦しみ抜いてやっと辿り着いたこの世界なのですから、たとえぼんやりであろうと必死に見ようとしているでしょう。
嗅覚は、大人の10数倍あるそうです。私が、子どもを産み育てた時代は、赤ちゃんは、何もわからないから、少々ほっといても大丈夫。泣いていても、すぐに抱っこをすると抱き癖がつくから、あまり抱っこをしない方がいいとも言われました。
赤ちゃんは、泣くことで様々なことを訴えています。その訴えを受け止めてもらい、気持ちが良い状態にしてくれる人(多くの場合はお母さん)への信頼感が育ちます。
赤ちゃんは、何もできない存在ではなく、生まれた直後から、たくさんの可能性を持った主体的な存在なのですね。赤ちゃんの主体性を尊重した新しい保育の在り方が問われているように感じました。
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