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給食

 先日、お話会の先生方が「すごくいい匂い。今日の給食はなんですか?」と尋ねられました。毎日のことですっかり当たり前になっているのですが、保育園の食事は給食室で作ってくれるので、美味しそうな匂いが漂って来ます。


 十何年も前、保育園から給食室の設置義務が撤廃されるかもしれないという動きがありました。給食センターからの搬入でもいいという案が持ち上がった時、保育園業界から大反対の声が上がりました。現場で働いていた私も、保育園で給食を作る意義について意見書を出したり、アンケートに回答して反対の声を上げたことを思い出します。


 その時からレンチンで食事を作る家庭が増えていて、キッチンから包丁が消えるかもしれないという状況がありました。食卓に上がる食事の過程が子どもの記憶に残らないのではないかという危機感があり、保育園で食事を作ることに意義があると声を上げたのです。


 保育園の中で、調理をする匂いや食材を刻む音、忙しそうに立ち働く給食室の先生たちの動きが見えるのは食育の観点からもとても大きいと思います。あの時、調理室設置義務がなくならなくて、本当に良かったです。


 保育園の子ども達は毎日給食を楽しみにしています。開園してしばらくは残食が多いのが悩みでしたが、今は本当によく食べます。給食がおいしいのはもちろんですが、温かいものは温かく、友達と一緒に同じものを食べられるからだと思います。


 新年最初の登園日、「お家ではあまり食べないけど、今日から保育園の給食を食べられると楽しみに登園したんですよ」と2歳児のKくんのお母さんから嬉しい言葉をいただきました。同じ年頃の友達と一緒に食べるのは特別ですね。食事は誰と一緒に食べるかも大事です。子ども達の偏食が少しずつ改善しているのを見て、保育園の給食の役割の大きさを実感しています。



 

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