どの子も
コロナ禍で社会に大きな変化が起きました。辛い辛い時期を過ごしましたが、これまで常識とされていたことが良い方向に変わったこともあります。その一つがオンライン研修です。会場に行くまでの時間や金銭が節約できたり、著名な先生の講演を聴く機会が増えたことがとてもありがたいです。
「教室マルトリートメント」の著者である川上康則先生のオンライン研修を聴きました。今まで誰も書けなかったような学校内でのマルトリートメント(不適切な言動)を読んで「やっぱり・・・」と思いました。でも他人事ではありません。
研修の中で、川上先生が特別支援コーディネーターをされていた時に、「『教室内で落ち着かなくて手がかかる生徒がいるから見に来てくれ』と言われて見に行くと、大抵その授業はつまらないものだった。その授業を聞いている他の子の方が過剰適応しているんじやないかと心配になった」とおっしゃっていました。
「特別支援学級に転籍した方がいいんじゃないか」「この子がいるせいで他の子の学ぶ権利が阻害されている」と言われることもあるそうです。他の子の学ぶ権利を保障するために、手がかかる子を排除してもいいという考え方が、できない子やその場にそぐわない子は排除してもいいという価値観になって子ども達に伝わってしまうのはとても怖いことです。
「手がかかる子がいなくなったら、また別の子が手がかかる子になり、イタチごっこになる」ともおっしゃっていました。耳が痛いです。どの子も面白いと感じられるような授業の工夫をせずに、手がかかる子は排除しようとする姿勢を問われているのだと思います。
子どもが話を聞いてくれないから排除するのではなく、どの子も面白いと思ってくれるような保育を考えるのは保育士として大事なことだと改めて思いました。心が痛くなる研修でしたが、「どの子も」という視点を忘れないようにしたいと思います。
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