心の育ち
青いりんごの実を手に、2歳児のKちゃんとTちゃんがM先生と一緒に事務室の園庭側のドアを開けて神妙な顔で並んでいました。
「どうしたの?」と尋ねると、りんごの実を握りしめたKちゃんは、ちょっと悲しそうな顔をして黙ったままです。それを見たTちゃんが
「ごめんなさい」
次に、それを見たM先生が、「間違えて取ったんだよね。キレイだもんね〜」と、Kちゃんがりんごの実をとってしまったことを教えてくれました。「赤くなったら、みんなで食べたいから、とらないでね。」と話すと、Kちゃんは少しホッとしたような顔で頷いてくれました。
それにしても、Tちゃんが代わりに謝ってくれたことにびっくりです。困っているKちゃんを助けたいと思ったのでしょう。まだこの世界に生まれて3年も経っていないのに、お友達を助けたいと思う気持ちが育っているなんて・・・。
Tちゃんが卒園する時、きっと今日のこの場面を思い出すと思います。心の育ちは目には見えませんが、時々行動で見えることがあります。そんな場面に出会うためにこの仕事を続けているんだなと思います。
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