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偏食と食具

 毎月1回近隣の小児科さんから保育便りが送られてくるのですが、いつも参考になることが書いてあり、勉強させてもらっています。今月は、発達障害の子ども達の立場から考えた食事に関する記事が掲載されていました。


 発達障がいとは・・・他人との関係作りやコミュニケーションなどがとても苦手である一方で、優れた能力を発揮されている場合もあります。それぞれの能力を伸ばし、社会の中で自立していくためには幼児期早期からの「気づき」と「適切なサポート」、加えて発達障がいに対するわれわれ一人一人の理解が必要です。発達障がいの本質がきちんと理解され、周囲から適切にサポートされないと、園や学校に行くことがストレスとなり、不登校や引きこもりなどの二次障害につながることもあります。


 ・・・と冒頭に書いてありました。幼児期からの正しい理解と適切な支援が重要なのですね・・・その障害のひとつに「偏食」があり、この「偏食」にも適切なサポートが必要です。偏食の原因として、「同一性へのこだわり」や「感覚偏奇」があります。同じものばかりを食べ、初めての食品を極端に嫌がるということがよくあります。その子自身が持っている感覚の問題なので、食べさせようと無理強いするのはよくないということだと思います。


 近年、乳幼児のスプーンやフォーク、コップ、ストローなどの食具はシリコーン製が多くなり、安全ですが、口腔内の感覚としては、食具は食べる食材よりも固いことが必要で、そうでなければ食具の口あたりと食品の固さの感覚に差異が生じてくるそうです。離乳食完了期では、食材の固さに合わせてプラスチック製の食具に変え、幼児食になったら金属製にするなど、食具もステップアップする必要があるそうです。感覚が敏感な発達障がいのお子さんに、どんな食具を準備するかはさらに考えなくてはいけないことですね。


 偏食があっても、時期を待つことで自然軽快する可能性が大きいので、食べないから食べさせないのではなく、食べれないものもいつか食べられるようになることを待ちながら食卓に出すことが大切です。保護者の方から、「おうちでは食べないのに、保育園では食べるんですね」とよく言われます。お友達が食べている姿を見て、食べてみようという気持ちになれるのは保育園の給食の良さだと思います。無理強いをせず、子どもたちが食べてみたいと思えるような環境づくりや食育を取り入れ、偏食を少しずつ克服できるようにしたいと思います。


 食具の話はとても勉強になりました。食具が食材よりも固い方がおいしく感じるというのはわかるような気がします。ご家庭でも参考になさってください。

 

(引用)  発達障害の子どもの口腔の感覚過敏 弘中祥司(昭和大学歯学部口腔衛生学講座教授)

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