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学び手(子ども)は常に正しい

 少し前、応用行動分析学のオンラインで「学び手(子ども)は常に正しい」と言う言葉を聞いて感銘を受けました。子どもの行動は、教える方が提供したことの結果であると解釈しました。大人が教えたいことを教えるのではなく、子どものスキルとレベルを把握したうえで教えることが必要だということを改めて感じます。


 もともとこの言葉は、応用行動分析学のスキナーの言葉ですが、応用行動分析学は、行動には必ず理由があり、行動を変えるにはその行動の前のきっかけと行動の後の結果に注目して、行動変容を目指しています。


 子どもの行動を変えられないのは、子どもが悪いのではなく、教える大人の側にその原因があるのですね。たとえば乱暴な言葉を使う子がいて、何度言ってもそれが変わらないのであれば、理由があると考えます。考えられる理由としては、良い悪いの言葉の判別ができない、悪い言葉を使った時の相手(友達・大人)の反応がおもしろい、悪い言葉を使ったら、先生がすぐにそばに来てくれる、悪い言葉を使った時に相手が嫌な気持ちになることがわからない・・・などが考えられます。


 そのような理由があるのなら、何度大人が「その言葉を言わないで」と言ってもやめることはできません。強く叱責すれば、怖くて強い叱責をする大人の前では使わなくても、他の場面では使ってしまうでしょう。

 

 りんごの花保育園にも乱暴な言葉を使う子がいます。暴言を使う子どもに、その場での対応「その言葉は使わないで、お友達が嫌な気持ちになっているよ」と言っても、友達に気持ちがあることがわからなければ行動が変わらないのは当たり前の結果です。暴言をなくしたいのですが、暴言を使う子どものアセスメントをする余裕がないのが現状です。後手後手の対応になっているのはわかっていますが、集団生活の中の大きな課題です。


 集団生活で子どもは理解して行動しているように見えますが、他の子どもの行動や大人の反応を見て行動している子もいます。発達検査などを受けると、理解の程度を知ることができます。わからないのに、常に叱られたり、同じことを何度も言われるのは子どもにとっていい経験ではありません。同じことを注意していると大人は疲弊してしまいますが、一番困っているのは正しい支援を受けられていない子どもの方です。


 学び手(こども)は常に正しい・・・心に刺さる言葉です。問題行動があっても、子どもの責任にせず、大人が問題行動の理由を理解して、その子の力に合った支援をしなくてはと思います。

 

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