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小学校への期待

 オミクロン株のコロナウイルス感染症が拡大していて、なかなか対応が追いついていきません。福岡市からの通知で、これまで14日間だった濃厚接触者の隔離期間が10日間に短縮されただけでなく、エッセンシャルワーカーは、一定の条件の下、6日間で職場復帰できるようになったそうです。


 先生たちが14日も10日も休まなくてはいけなくなると、保育園は機能しなくなってしまいます。少し気持ちが軽くなりましたが、油断をせずに感染対策をしっかり行っていきたいと思います。急に拡大したので、収束が早いかもしれませんね。そうなると本当にいいですね。


 感染拡大の影響で、様々な研修会が中止になりました。中でも、保幼小連絡会議が、電話での伝達になったのがとても辛いです。小学校入学に不安を感じている子どもたちがいるので、直接お話をしたかったのですが、本当に残念です。


 今日、ある小学校から保幼小連絡会議(電話による)の案内が届いたのですが、気になる文章が書かれていました。


 ここ数年、保幼小の円滑な接続が難しくなっていて、主な要因はいくつか考えられます。

〇毎年多数の園から多様な教育活動を受けた児童が入学し、小学校の生活に慣れるまで時間がかかること

〇多くの先生に見守られた個別の対応で過ごしてきた児童が多く、1人の担任で35人の仲間と過ごすような集団生活に慣れていないこと

〇保護者も個性重視の思いが強い傾向にあると感じること


・・・資料として、幼稚園教育(幼児教育)において育みたい資質・能力及び「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」が添付されていました。


 以前も、小学校の先生から、「まずは型にはめることが大事」と言われたことがあって、とてもがっかりしたことを思い出しました。


 たまたま、全国私立保育園連盟発行保育通信1月号で、ルポライター杉山春氏のコラムを読んだばかりだったので、なおさら考えさせられました。そのコラムには、「褒めて育てるという考え方があるが、私はそれは怖いと思う」と臨床心理士の専門家が語られた言葉が書いてありました。


 「褒める子育て」は、近代社会の成立と関係があり、母親は、我が子を有能な社会の一員として育てることを求められてきた。子どもたちは褒められて一つの形へと整えられていく。友達と協調できる子どもに。人に迷惑を掛けない子どもに。労働力として市場に出た時には高く評価される存在へと。


 だが、子どもという存在は、あるいは人間という存在は、実はこのうえなく多様だ。ある一定の形に整えられるために、出っ張りをあちこち切り取られていく。その切り取られた出っ張りが大きければ大きいほど、その子どもや人は痛みを得る。その痛みの部分が精神に関わる時、メンタルヘルス失調の問題となる。


 小学校の先生が早く集団の一員として行動してほしいと思う気持ちが表現された保幼小連絡会の案内文を読んで、いまだに小学校教育は変わっていないと思いました。新しい世界に飛び込んだ子ども達がゆっくり慣れていくのを楽しみに待ってくれるような小学校になる日はまだまだ遠いのでしょうね。


 小学校と保育園・幼稚園の生活は大きく違い、子どもたちは不安や期待から様々な行動をするかもしれませんが、それもそんなに長い時間ではありません。そのためにスタートカリキュラムがあるのではないでしょうか?


 コラムの最後にはこんな言葉が書いてありました。

 幼い時、存分にその子をその子として育てる。そして、ある年齢になった時、求めるところを自分で定めて走り出していける子どもになればいい。そうすれば、今増えている若い人たちのメンタルヘルスの問題も減少するのではないか。


 保幼小の接続の問題は、大人の意識や考え方の違いに起因するのかもしれません。早く顔を合わせて話し合える日が来ることを願います。



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