発達障がい
発達障がいと言う言葉は広く知られるようになりましたが、発達障害支援法が施行されたのは、2005年4月なので、たった20年前の話です。発達障がいのことを知れば知るほど、自分も当てはまるところがあると感じる人も多いのではないかと思います。実際、大人になって発達障害と診断される人は2016年に比べると、2022年は1.8倍に増加しています。
発達障がいの特性があっても、差しさわりなく社会生活を送ることができれば診断を受ける必要はないのですが、その特性故に仕事につけなかったり、人とうまく付き合うことができずに苦しんでいる人たちが、診断を求めて受診しているということだと思います。
10月に開所した児童発達支援事業所も受け入れ枠がいっぱいになり、待機をしているお子さんがいる状況です。通っているお子さんたちは特性があるものの、みんないいところをたくさん持っています。でも、その良さも大きな集団にいたら認めてもらえないだろうなと思います。
間違えたと思ったら、表情が変わり間髪入れずに謝るお子さんもいます。「〇〇しようと思ったんだけど・・・」と自分の行動を正当化していいと思うのですが、「ごめんなさい」が口癖になっている子を見ると、日頃の生活を想像して悲しくなります。
大人を試そうとするお子さんもいます。わざと大きな声を出したり、隠れたり、挑戦的なポーズを取ってみたり、大人に対して信頼感が持てないように感じます。これまで否定的な言葉を掛けられることが多かったのではないかと思うとまた悲しくなります。
発達障がいへの理解はまだまだ進んでいません。大きな集団でみんなと同じことを求められたり、家庭で何度も同じことで叱られたりして、どうしていいかわからなくて困っている子もいます。「どうしていいかわからない」「助けて」と言えないのです。
大人になると、困っていることを言語化できるので受診ができるようになると思うのですが、そこに行きつくまでにどれだけ苦しい思いをされてきたのかを思うと、胸が痛みます。人は理解できないことには無関心になってしまいますが、理解したいと思えば、見える世界が全く変わります。誰もが発達障がい(この言葉もよくないですが)を理解して、自分と違った見方、感じ方をしている人たちと共に生きる社会になるよう願います。
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