自己治療仮説
自己治療仮説という言葉をご存知でしょうか?
今回動画研修で学びました、薬物依存やアルコール依存、摂食障害などの依存症は、依存することで快楽を得ようとしているのではなく、苦しみから抜け出すため、つまり自己治療のために特定のモノに依存しているという説です。
以前、信州大学医学部附属病院子どものこころ診療部部長の本田秀夫先生も同じような話をされていました。
快楽を得るための依存であれば、依存から抜け出せないのは、その人の弱さや甘さだと思ってしまいますが、苦しみやストレスから抜け出すための方法であれば、その人の苦しみを理解することが重要になります。
研修の中で、ある陸上選手の話を聞きました。その人は一人暮らしをしていた時に、摂食障害になり、たくさんのお菓子を詰め込んで、大量の水を飲み、嘔吐することを繰り返し、嘔吐する瞬間だけ唯一苦しみから抜け出すことができたそうです。
大量のお菓子を買うために、万引きを繰り返して何度も逮捕されたそうですが、そこから抜け出すことができたのは、自分の苦しみを人に話し、人と繋がることができたから・・・。今陸上選手として活躍できているのは、周りの人達が支えてくれるからという話を聞いて、心を打たれました。
誰でも弱いところを持っています。その弱さに拍車をかけるような出来事があると、その苦しみから逃れるために何かに依存してしまうこともあるのだと思います。周りの人の無理解がそれをさらに追い詰め、抜け出すことができなくなることもあるのではないでしょうか?
誰かが苦しんでいる時、その気持ちを受け止め、支えることができればと思います。苦しんでいることを言葉にできない辛さも丸ごと受け止めることができればと思います。
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