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見えないものを見ようとする

 昨日は、今年最初の西区の園長会でした。その前に人権研修があり、西日本短期大学の先生が、お話をしてくださいました。美術の先生で、百道の急患センターの待合室にも定期的に絵を飾ってあるそうです。


 スライドに映し出された絵には、魚を抱いている猫の絵が描かれていました。それを見てタイトルをつけ、お話を作ってくださいと言われたのですが、後で周りの人と交換をしてみると、同じ絵を見ているのに、ひとりひとり捉え方、感じ方が違うのがよくわかりました。


 次に、海と空が映りこんでいる夏の写真を見て、タイトルをつけました。私は、空の色と海の色のコントラストがきれいだったので、「青」とつけました。隣の方は「地平線」と書かれていました。先生の思いは、その写真には映っていない昼間の星と海の中の魚を表現したいと思われたそうです。



青いお空の そこふかく、海の小石の そのように、 夜がくるまで しずんでる 昼のお星はめにみえぬ。

見えぬけれども あるんだよ 見えぬものでも あるんだよ。


ちってすがれたたんぽぽの かわらのすきに だアまって 

春のくるまで かくれてる  つよいその根はめにみえぬ。

見えぬけれども あるんだよ 見えぬものでも あるんだよ。


               金子みすゞ『星とたんぽぽ』より


 私はその写真の海の青さや光の強さに惹かれてしまい、昼間の光の中にも星が輝いていること、海の中ではたくさんの魚が力強く泳いでいることに目を向けることはできませんでした。


 見えるものに目を奪われてしまいますが、目には見えないものを見ようとする気持ちを忘れてはいけませんね。大きな声や強い主張だけに心を奪われることなく、小さな声やか細い主張にも心を向けなくてはと思います。


 みんな違ってみんないい 見えぬけれどもあるんだよ 見えぬものでもあるんだよ

・・・小さいもの、かよわいものに目を留め、やさしさといたわり、愛情を注いだ金子みすゞさんのことを久々に思い出して、心が温かくなる研修でした。



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