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食事が重要な理由

 今、授業で乳児期の食事について学生に話しながら、私も食事について考えています。人生最初の食事は授乳ですが、産後直後の初乳が免疫グロブリンを豊富に含んでいて、様々な病気から赤ちゃんを守ることは、よく知られています。お母さんから、赤ちゃんへの最初のプレゼントだと思うと、生命誕生の不思議を感じます。


 母乳が人工乳に比べて優れていることはわかっていますが、私も母乳ではかなり悩まされました。特に最初の子は私も赤ちゃんも授乳に慣れていないので、なかなか出なくて苦労しました。出産で疲れ果てている上に、母乳がでない、睡眠不足が重なって産後うつになるのもわかります。


 授乳は、単に栄養補給ではなく、お母さんの身体の温かさ、お腹の中で聞いていた心臓の音、優しい声やぬくもりを感じながら、お腹が満たされるとともに心も満たされ、愛着関係の基礎をつくる上でとても大事ですね。できれば母乳で育てたいと多くのお母さんが思っていると思います。


 その後、離乳食が始まり、完了食から幼児食へ移行し、大人と同じようなものを食べられるようになるには1年半以上かかります。離乳食がうまく進まなかったり、偏食や少食が気になったり、一人前に食べられるようになるまで悩みは尽きません。食事は、一生の健康に関わるので、幼児期から規則正しく食べることやバランスよく食べる力を育てたいと思いますが、簡単なことではありませんね。


 学生に聞くと、朝ごはんを食べなかったり、自炊をしていない人が多く、心配になります。自分で作った方が安全、安価で美味しいのに・・・と思うのですが、私が育った時代背景とは全然違うので、仕方ないのかもしれません。24時間いつでも簡単に食べ物が手に入るので、なかなか自分で作る気持ちにならないのでしょうが、食事は作り慣れると作ることが楽しくなるので、学生のうちに食事づくりに関わってほしいと提案しました。少しでも心に届くといいのですが・・・。


 幼児期の食育は重要です。大人の言うことを聞いてくれるこの時期に、食べ物の役割を知らせたり、様々な食材に触れたり、食に関わる機会を作りながら、身体によい食べ物を選択する力を育てたいですね。私たちの体は食べ物でできています。誰とどこで何を食べるかで健康な体が作られ、人生がより豊かになるように思います。りんごの花保育園でも友達と一緒に食べると楽しいという経験を積み重ねていきたいと思います。


 

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